作曲家、福嶋頼秀は作曲・編曲、TVや舞台等の音楽制作、レクチャー、コンサートの企画構成等幅広く活動中

宅録♪オススメの機材③…コンデンサーマイク編(XLR端子)

2020.05.15

みなさん、こんにちは!
緊急事態宣言が一部の県で解除される等、コロナの状況もだんだんと良くなってきている様子です。

大勢の方が来場してくださるコンサートについては、まだ開催が難しいのですが、みなさんあともう少し頑張りましょう!

そんなご自宅で過ごす音楽家のみなさんのための参考にもなれば・・・、とはじめた「宅録♪オススメの機材」のご紹介。
前回はなんと動画…テーマは「USBコンデンサーマイクで お手軽の高音質を♪ 〜Yeti と H2n の聴き比べも!〜」

宅録♪オススメの機材②(特別編)「USBコンデンサーマイクでお手軽に高音質を♪」

「宅録♪オススメの機材②(特別編)」としてお送りしたこの動画は、お陰さまで評判も良く、YouTubeで毎日たくさんの方にご覧いただいており、とても嬉しく思っています。

また、4月28日にブログに記載した記事「宅録♪オススメの機材①・・・ヘッドフォン&アンプ編」も好評です。
たくさんの方に読んでいただいており、こちらから読めますので、ぜひご覧下さい! ・・・ こちら

 

さて、そして、第3弾としてお送りするのが・・・、

「宅録③オススメの機材…コンデンサーマイク編(XLR端子)」

では前置きはさておきまして!・・・記事に入りたいと思います。

 

【ねらいは?】
宅録などで主にパソコンを使用した環境を想定したお話とは言え、もう少し本格的に録音したいな・・・となると、やはり必要になってくるのが「XLRケーブルでつなぐ、コンデンサーマイク」です。
XLRケーブルとはキャノンケーブルとも言って、ノイズが入りにくく、レコーディングなどではよく使われます。

最後までお読みいただくとわかるのですが、このタイプのコンデンサーマイクを使用すると、音質は向上するのですが、さらにオーディオインターフェイス等の機材も必要となります。

そういう意味では、やはり気軽にUSBケーブル一本でパソコンにつないで使えるのは「USBタイプのコンデンサーマイク」です。
これについは、是非、上記のYouTubeの動画で説明していますので、そちらをご覧下さい。

この「XLRケーブルでつなぐ、コンデンサーマイク」を使うメリットは、マイクの選択肢が広がったり、何種類かのマイクを組み合わせて、音質などに幅を持たせたりと、さまざまな応用が効きくことだと思います。
すぐに使わなくても、知っていると何かと役に立つ情報ですので、そんなつもりでお読みいただくのもイイかもしれません。

切り口としては、けっして音響の専門家の視点ではなく、あくまで作曲家や演奏家の視点から書きました。
ですので費用対効果も考えつつ機材をセレクトし、自宅だけでなく、リハーサルスタジオや小さなホール、といった様々な場面での小規模な録音でも使いやすい機材、を紹介しています。

 

【ダイナミックマイクとコンデンサーマイク】
マイクには代表的な2つの種類があり、一つはダイナミックマイクで、もう一つはコンデンサーマイクです。

ダイナミックマイクは、電源不要で丈夫に出来ていて、価格が比較的安いです。
コンデンサーマイクに比べると感度が低いのですが、それは遠くの音を拾いにくいということでもあり、例えば、ライブ・ステージでたくさん楽器が音を出している中でボーカルの音を録音する時には、むしろ音の〝かぶり〟が少なくなり有利になります。

カラオケで使うハンドマイクも、ほとんどがこの種類です・・・何と言っても丈夫ですから、少しぐらい乱暴に扱っても?!!
代表的なShureというメーカーのSM57(主に楽器用)、SM58(主にヴォーカル用)などは、みなさん必ずどこかで見ているでしょう。

コンデンサーマイクは感度が良く、低音域から高音域までむらなく録音できるものが多いので、レコーディング・スタジオでキレイに録音したい時、などにも向いています。
繊細な音まで拾えるので素晴らしいのですが、逆に言えば、ちょっとしたノイズまで録音してしまいます。
また丈夫でもないので、セッティングやマイクガードなどにも気を使います。

それから、ファンタム電源という電源が必要です。これは、マイクにXLRケーブルをつないで供給します。
ですので、ファンタム電源の付いている機材(=オーディオインターフェイス、マイクプリアンプ、ミキサーなど)と一緒に使う必要があります。

左がラージダイヤフラムダイヤフラムのコンデンサーマイク<M-Audio・Solaris>
右がスモールダイアフラムのコンデンサーマイク<AKG・C451Bステレオペア>
奥に写っているのがダイナミックマイクの<Shure・SM57>
(XLRケーブルはつないでいません)

【ラージダイアフラムのコンデンサーマイク】
そのコンデンサーマイクは、大きく2つのタイプがあります。一つはダイアフラムが大きいラージ型と、小さいスモール型です。

ダイアフラムとはマイクの振動板のこと。その振動を電気信号に変換して録音するので、マイクで一番大事な部分です。
上の写真を見ると、左のマイクの上部のメッシュ状の金属の中に、円形の影が写っているのがわかりますでしょうか。これがダイアフラムで、その大きさがマイクによって違うのです。
右のマイクは右端(よくみるとメッシュ状の部分がある)のカプセルの中に、ダイアフラムが入っています。

もちろん写真左がラージダイアフラム型で、右がスモール型。その大きさが、けっこう違うことにお気づきになるでしょう。
ラージダイヤフラム型の方が、より幅広い表現力で、余裕を持って音を収録できる訳です・・・見ての通りですね!

ですので、コンデンサーマイクの最初の1本は、ラージダイアフラム型のコンデンサーマイクが良いのではと思います。
値段は、1万円くらいから50万円以上するものまでピンキリです!!
音響のプロでない方なら、費用対効果を考えて、数万くらいまでの中で選んで、気軽に使う方が良いのでは?

私はM-AudioのSolaris(廃番)を持っていますが、宅録だけでなく、出先でも良く使いました・・・
「真空管付きのマイクプリアンプ + オーディオインターフェイス + パソコン」も持参して!最近はやらなくなったなぁ。

 

【スモールダイアフラムのコンデンサーマイク】
スモール型の方は、2本をペアに組み合わせて使う事も多いです。
スタジオなどでは、ピアノ・ドラムス・箏(=お琴)といった横幅のある楽器をステレオで録ったり、また、演奏会のライブ録音で会場の中央にステレオでセッティングすることもあります。もちろん1本でも使えます。

ソロ楽器の収録でも、「楽器の近くでリアルな音をラージ型のコンデンサーマイク」で、さらに「少し離れた場所の響きをスモール型のコンデンサーマイクのステレオ」で、といった組み合わせで、録音に幅を拡げることもできます。
私は定番のAKGのC451Bを使っていますが、様々な使い方ができるだけでなく音もハッキリしていて、とても便利です。

ちなみに測定用コンデンサーマイクというのもありまして・・・、例えば、スタジオの響きの音響特性を調べる時に使います。
まったくクセのない音質で、無指向性。つまり、あらゆる方向からの音をむらなく録音できます。
このクセのないマイクを、楽器の録音に使う事ももちろんOKです。

測定用のコンデンサーマイク、左<Audix・TM1>と右<測定ソフトARC 2に附属>
マイクの下の黒い部分がXLRケーブルのソケット、けっこう太いです!

このように少し本格的な録音になると、やはり登場してくるのがXLRケーブルでつなぐコンデンサーマイク。実はさまざまな種類がありますので、ご自分で使うももちろん良し、レコーディング現場で収音のねらいを探るも良し、でぜひ知っておいて下さい。

次回「宅録♪オススメの機材④」のテーマは、「オーディオインターフェイス&プロは!」の予定です。
ぜひ、お楽しみにしていてください!

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