〝東京シティ・フィルのアウトリーチ公演〟にご注目♪
2011.05.31
5月30日(月) 江東区豊洲小学校にて、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団によるアウトリーチ(=プロの演奏家が少人数で行う、学校などでの出前公演)が行われました。福嶋も編曲を担当し、会場で公演を楽しみました。
私は 幾つものオーケストラのアウトリーチを、編曲・構成・司会などでお手伝いしましたが、今回の公演も工夫されていました。そこで今日のブログでは、その注目点をご紹介します!
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ここに注目♪その1・・・奏者の素敵なパフォーマンス
なんといってもまずは音楽の魅力。みなさん、とても積極的にアンサンブルを作っていました!
また、演奏だけでなくトークも絶妙で、楽器の特徴やオーケストラ音楽の面白さを、笑いも交えて伝えていました。
▼「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」などを熱演した弦楽4重奏
▼「動物の謝肉祭」や「展覧会の絵」などを弾き分け、子供たちとやり取りしながら、音楽の魅力を伝えたピアノの志田さん
ブリリアントな響きの金管5重奏、リーダー的存在・上田さんの楽しいトーク!(トランペットも超絶品デス♪)▲
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ここに注目♪その2・・・いろいろな音楽を楽しめる、楽器編成の妙
この日の編成は「金管5重奏+弦楽合奏+ピアノ」。この編成なら 金管5重奏や弦楽4重奏から、ピアノや各楽器のソロ曲まで、さまざまな編成の曲を演奏できますよねー♪ もちろんプログラムのメインはフル編成となり、福嶋が『くるみ割り人形』を編曲。バレエ音楽を知り尽くしているオケだけあって、アンサンブル版での演奏も、色彩豊かで華やかな演奏でした!
面白いのが、翌日は「木管5重奏+弦楽合奏+ピアノ」で同様のプログラムを実施している点。これは「さまざまなアンサンブルを子供たちに楽しんでほしい」という理由で企画された、楽器編成のアイデアだそうです。(今回の編曲はどちらの編成でも演奏できる様、工夫を凝らしました♪)
▲オーケストラの様な色彩と迫力♪ この編成、なかなか効果的かもしれないです!
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ここに注目♪その3・・・ホールとの連携、地元企業の協賛
この公演の主催は、ティアラこうとう。「区民のみなさんに、身近で芸術を楽しんでもらいたい」という環境づくりをめざす公共ホールと、オーケストラがタッグを組んでの活動は、まさに地に足が付いている活動といった感アリ。
協賛の日立公共システムエンジニアリング株式会社は、地元企業として日頃から積極的に活動を支援。プログラム作成、プロジェクター使用、会場設営、等々を多くの社員の方が応援しているそうです、スバラシイ!
区民・ホール・オケの関係をわかりやすく、さわやかに紹介したオーケストラ事務局Sさん▲
楽しいキッズ・コンサート&ベテランの室内楽コンサート
2011.05.27
5月21日(土曜)はお天気も良く、お出かけ日和。私は自分自身が作曲・編曲でかかわった、2つのコンサートに出かけました。
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午前中はサントリーホール・小ホールで開催された、二期会21とソニー音楽芸術振興会の共催の『Concert for KIDS〜3才からのクラシック 〜シンドバッド 愛と勇気の冒険〜』へ。
約1時間のコンサートだったのですが、最初から最後まで(コミカルに流れすぎずに)子どもたちを引きつけ続けた好演!・・・〝王子様がお姫様を助けに行く〟という物語で、テンポの良い展開と、魅力あふれる歌・演奏の成果・・・と言えるでしょう。『花のワルツ』『剣の舞』など、15曲ほどが演奏されました。
何と言っても素晴らしかったのは、お姫様役の 嘉目 真木子 (よしめ まきこ)さん。二期会の本公演『フィガロの結婚』でスザンナを歌ったばかりで、美女から三枚目的なキャラまで、とてもキュートな歌と演技でした。そして、客席と演奏家を見事に結びつけたのは、王子様役のテノール 猪村 浩之 さん。
器楽奏者のピカ一は、N響の打楽器・竹島 悟史 さん。彼は マリンバ 等のテクニックも ものすごく上手いのですが、さすがオーケストラの響きをよくわかっています! 打楽器パートは、編曲によって音楽的な役割が かなり異なるのですが、そういうことを120%わかって演奏してくれるので、編曲者としては大変心強いです。
チェロの 海野 幹雄 さんらによる弦楽四重奏、ピアノの 石野 真穂 さんも、みなさんソリストとしての力量も十分で、熱い演奏で子どもたちを引きつけていました♪
▲▼お休みの午前中、サントリーホールのあるカラヤン広場では市場が開かれていました
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午後は新宿・ドルチェ楽器のホールで開催された、室内楽のコンサートへ。
東京フィルハーモニー交響楽団のクラリネット・荒井 伸一 氏、同じくフルート・名雪 裕伸 氏、ピアノ・荒井 淳子 氏らが出演。こちらはご招待者のみのコンサートでしたが、たいへん温かい雰囲気の演奏会でした。
福嶋作曲の『七三ラプソディー』も演奏されました。この曲はもともと、フルート、長唄三味線、二十絃箏(=20本弦が張ってある琴)のために作曲した作品なのですが、今回のコンサートのために、フルート、クラリネット、ピアノのための改変版を作曲。
彼らは百戦錬磨の奏者のみなさんで、リハーサルでは・・・・
「祭り囃子風ですが、大太鼓ではなく、締太鼓の〝天ツク、スッ天天〟の感じ」 「銚子の荒波でなく、沖縄の波のイメージ」 「32分音符の動きは能管のテンションで」
・・・といった感じでリクエストをすると、見事に音楽的にふくらませて下さいました!
一言で〝日本風な作品〟といっても、さまざま音楽的要素が含まれます。 〝そういう事を楽しみながら 描き分けてくれる奏者〟との出会いは、邦人作曲家の大きな大きな財産なのです♪
湯涌温泉で舌つづみ、気分転換になりました!
2011.05.18
こんにちは、みなさん。実は私、5月からTwitterを始めました。〝つぶやき〟の中身は、作曲や編曲など 仕事に関する事が多いのですが、フォローして頂く方も少しずつ増え、リアルタイムな手応えに感激です!
そんな訳で、このブログも いろいろな方が見にきてくださっている様子です。ですので今日は、堅いネタではなくて 旅の話。
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この間の週末に、あるグループの慰安旅行で 石川県金沢市にある湯涌(ゆわく)温泉に行きました。
▲▼加賀百万石の街・金沢では、和を感じさせる景色に たくさん出会いました
▼湯涌温泉、そこはちょっとレトロな町並みの とっても落ち着いた温泉地
▼こいのぼりが たくさん およいでいました
▼一番の楽しみは、なんと言っても旅館でのおいしい夕食・・・・(^_^)!
都響×大人の休日(JR東日本)=オーケストラ講座?!
2011.05.13
連休も終わり、公園などの花や草木が いよいよ色鮮やかになってきましたね!私は毎朝、近所の大きな公園でラジオ体操をやっているのですが、そこの木々の新緑を渡る風のすがすがしいこと。まさに風薫る五月。
なので日々、さわやかな朝の目覚めとともに健康生活・・・と言いたいところですが、徹夜明けで仮眠前の体操になることが よくあります。(作曲家の生活は不規則になりがち。。。)まぁ、やらないよりは、いいでしょう(笑)
ところで4月24日(日曜)、私は、東京都交響楽団(=都響)の名曲コンサートが開催される、サントリーホールへ行きました。私のお仕事は『オーケストラ講座』なる レクチャーの講師。さて、いったいどんな講座なのか、紹介しますと。。。。
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JR東日本が運営する、『大人の休日倶楽部』という会員向けカルチャースクールがあって、これはその中の講座の一つ。
全5回のシリーズで、座学での講義を4回やってオーケストラや楽曲について学んだ後、最終回では実際にコンサート会場に行ってリハーサルと本番を鑑賞する、という内容。座学の内容には、文学研究者による時代背景の講義や、プロデューサーによる制作裏話なども含まれ、オーケストラ音楽の魅力を多面的に楽しめる内容になっています。
私の講義では、作曲家の視点から、音楽の特長・聴きどころを なるべくわかりやすく取り上げるようにしています。
そこで感心するのは 受講生のみなさんの熱心さ! 毎回、休み時間や講義の終わりに、たくさんの質問が出てくるのです・・・・オススメのCDは?、誰々の指揮はどう?、上手なオーケストラの 見分け方は?、等々。うっかり、よけいな裏話を しゃべらないようにするのがタイヘン??
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今回の公演は、フィンランドの指揮者 ハンヌ・リントゥ によるシベリウスの『フィンランディア』、交響曲第5番などが中心。フィンランド独特のフレーズ感(=歌い回し)や 音色の作り方がとても素晴らしく、オーケストラがそれに積極的に応え、大きな拍手が巻き起こっていました。また、豊嶋泰嗣さんが弾いたコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は、本来演奏するはずだったソリストのピンチヒッターだったのですが、こちらも大変素晴らしいソロでした!
サントリーホールのあるアークヒルズのカラヤン広場、東京の真ん中・六本木にあるのに緑がたくさん
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この講座をやっていて感心することがもう一つ。それは、スタッフの連携の素晴らしさ。
大人の休日倶楽部 と 都響 との連携が、まずはきめ細か。また公演当日も、都響の制作や楽譜関係のスタッフから「オーケストラ講座、よろしくお願いします」と声がかかり、情報共有がしっかりできている様子です。(そうでない演奏団体も 時々あるのですが、サラリーマン経験が5年ある私としては、ついつい比較しまう。。。。。)
オーケストラ音楽界がより元気になるためには・・・・(1)感動的な演奏、(2)工夫された教育プログラム、そして、(3)ビジョンと機動力を併せ持つ事務局、のどれも欠かせない と思います!
花や草木が いよいよ色鮮やかになってきました!
アエルでの復興コンサートwith遊佐未森さん
2011.05.06
ゴールデンウィークも終盤になってしまいましたね。みなさんは何をして過ごしましたか?
私は5月5日(木曜・祝日)に、仙台駅前・アエルで行われている 仙台フィルハーモニー管弦楽団 による復興コンサートを聴きに行きました。この日は、仙台出身のシンガーソングライター・遊佐未森さんがゲスト出演し、私は共演曲を編曲したのです。
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仙台駅・西口駅前のアエル (AER) は31階建て、近代的なデザインの複合施設
このアエルでの仙台フィルによる復興コンサートは、4月5日からなんと37日間連続で開催され、市民のみなさんに癒しと希望を 届けている様子です。毎回、楽器編成はさまざまで、この日はヴァイオリンとピアノのデュエットでした。
感情豊かな渋谷由美子さんのヴァイオリン、ピアノの絶妙なサポートは松坂優希さん
クライスラーの『愛の喜び』やドヴォルザークの『我が母の教えたまいし歌』などの名曲が、心を込めて演奏されました。
目の前での素晴らしい演奏に、お客さまから大きな拍手が!
ゲスト出演の遊佐未森さんは、まずはギターの西海さんと一緒に『いつでも夢を』・・・明るい気持ちになれます♪
遊佐未森さんの癒しの歌は絶品♪、軽快なギターは西海さん(実は超絶テクニック)
そして 共演曲は、遊佐さんの持ち歌から2曲。『いつも同じ瞳』は、仙台市街に位置するクリスロードのテーマ曲でもある 元気なナンバー。『I’m Here With You』は、曲名そのものの 温かいメッセージが込められたナンバー。
熱唱の遊佐未森さんと 一緒に盛り上がる演奏メンバー、こんな機会ならではの組み合わせ
出演者のみなさんの演奏・歌唱はもちろん、人柄からもあたたかいメッセージが伝わり、会場は終始なごやかな雰囲気でした。
今回は市街地でのコンサートでしたが、仙台フィルの方たちは沿岸の被災地にも赴いて 演奏をしているそうです。 〝これからもずっと、多くのみなさんの心の癒しになってもらいたい〟・・・そう思いました。
ピクニック気分でコンサート♪『第32回 森とオーケストラ』
2011.05.04
4月29日(金・祝日)に群馬県高崎市にある〝群馬の森〟で、群馬交響楽団(=群響)による野外コンサートが開催されました。 私はこの日のために新編曲を書き、当日も会場でこのイベントを満喫して来ましたので、そのご報告デス!
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〝群馬の森〟と言えば、群馬県民の憩いの場として、多くの方に親しまれています。 見てくださーい、とっても広いでしょう? ここに美術館やサイクリングコース、こども向けの遊具などがたくさんあるワケです。
この日はコンサートのために仮設ステージを設営して、そこでオーケストラが演奏します。
コンサートが始まると、会場はこんなーーーにも大勢の人々で 埋め尽くされるのです!!!
『結婚行進曲』『愛の挨拶』といった親しみやすい曲が演奏されました♪ 中でも『田園・第1楽章』はまさにこの場にピッタリ! 指揮は 鈴木 織衛 さんで、いつもながら オーケストラから豊かな音楽を引き出します。
高崎市少年少女合唱団のみなさんも、ステキな歌声で5曲を共演。ちなみに『翼をください』『世界に一つだけの花』は新編曲♪
野外コンサートなので、寝転んで聴いても、お弁当を食べながら聴いても、踊りながら聴いても、もちろん自由。
こういうオーケストラのコンサートって、意外と少ないですよね。家族全員で、思う存分楽しめるイベントでした!
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ところでこのイベント、毎年4月29日に開催されていて、今回でナ、ナ、ナンと、32回目! 最初の回の頃、当時中学生だった私も、〝群馬の森〟まで聴きに来たことがあります。。。。ああ懐かしい!!
今から30年以上 前、群響は経営状況が あまり良くありませんでした。 そこで、高崎市民の文化の誇りである群響を守り、市民・県民にもっと親しんでもらおうと、高崎青年会議所などが中心となってスタートさせたのが この『森とオーケストラ』。
今回も 約15名ほどの実行委員が 1年間にわたって会議を重ね、当日も 高崎青年会議所のボランティアの方々約50名が、会場の設営や案内 等々で忙しく働いていました。 なんと素晴らしい、文化への貢献なのでしょう!
市民に支えられ、市民のために文化発信する、というスタンスを忘れない群響。各地のプロの演奏団体が学ぶ点は 大きいのでは?